早婚を諦めた美女の話
「仕事は好き。数字が出せるのはゲームみたいで楽しい」
小学校教員の免許を持ちながら、彼女は現在ベンチャー企業で代理店営業をしている。
2018年の上半期は、部署で最も売上を出して表彰された。美人キャリアウーマン、高嶺の花である。
「めんどくさいのは嫌い!料理とかしたくないし、だって作った方がお金かかるもん」
営業成績のいいキャリア女なのに、彼女はたまにJKのような話し方をする。
「そんなことないお!」
……。
「ほんとは、27歳で結婚しよう!って人生設計立ててたよ。マストで!でも、難しいなって思った。社会人になってから、いろいろ自分が変わっちゃった」
彼女は、フツーにモテる。よくケラケラと朗らかに笑うし、人見知りしない。ドラマが好きで、テラスハウスやはじ恋を毎週しっかりチェックする、今時の20代だ。
「昔はメンヘラだった。彼氏によくいろいろ怒ってたもん。でも、社会人になったら治ったっていうか…。学生時代は彼氏にたくさん会いたかったのに、今は無理だなって思う。仕事してるし友達にも会いたいし、そんな時間ない」
彼女のタイプは学生当時は「オレ様な人」。でも今は、「自分のことが好きな人が好き」だという。
「私って多分わがままだから」
そう彼女は語るが、女友達の輪の中では気の使えるいいヤツだ。でも、男性にはわがまましたい…そんな気質がある女は、一定数いると思う。
「自分がないがしろにされるのはやだ。期待すると疲れちゃうから、しなくなった」
期待しない、というのは現代の恋愛の一つのムーブメントかもしれない。
女は男に頼らなくなったし、男は女にたててもらわなくなった。
生きているだけで与えられていた男女の役割がなくなって、異性間にある「恋人なんだから、こうして欲しい」というお互いの要望も減り、増える労働時間の中で、明日の朝も起きて会社に行くために、平日のど真ん中に恋人と会ったりはしない。
「20代前半、遊んでないといられなかった。飲み会の予定はバンバンいれて、予定がない日は不安だった。ちょっと、やり飽きちゃったのかも、そんな生活。今は1人で過ごす休日が楽ちんでいい」
学生から社会人になりたての「あの」時期、人生の夏休みが終わってしまったと思いたくないひとびとは、一度羽目を外しすぎたりする。
そこでうまく人生の伴侶を見つけようともがく人も多い。銀座や恵比寿を歩くと、23.4の年齢の女はとても多い。
「結婚は絶対する!けど、したいなって思える人と、タイミングを合わせるんでいいかなって思えるようになった。27歳までには多分結婚できないけど。昔みたいに、いちいち病まなくなったよ、仕方ないもんは仕方ない」
仕事に自分の居場所を見つけてから、彼女は強くなった。
20代前半は、いちばん「すべてのものに手が届く時期」なのだ。まだ、早婚もできる。仕事もこれから面白くなる。若いという理由でもてはやされる。
だから、どれにしようか悩む。
過ぎてしまえば、意外と結果を受け入れることができる。
「早婚したい」と思う人、こう考えて欲しい。
"じゃあ今、結婚相談所に入ろうと思うか?"
思えないなら、あなたにはまだ余剰がある。マズイな、と思っているならば、早婚願望の強い人は結婚相談所にきっと入る。
そんなに焦らなくてもいいはずだ。人生は長いし、結婚相手は「結婚しようと思った時期に付き合っていた人」だ。
ミクニシオリ
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