顔にコンプレックスのあるYouTuber
「顔にコンプレックスがあるんです」
そう言った彼が高校時代に組んでいたバンド名は『顔面コンプレックス』。
御三家、と言われるような有名男子校を出て、慶應大学に入った。
現在は会社を経営しながら、SNSでインフルエンサーとしても活躍している。
彼は背が高く、手足が長い。スタイリッシュで、ユーモアがある。でも、彼は自身をこのように評価する。
「自分はどう考えても、めちゃめちゃメンタルが弱い。ディスられたら傷つくし、プレッシャーに弱い 。
受験だってコンプレックスから始まったんです。学歴ごときでなめられたくなかったから、1日15時間勉強した。そしたら、手の皮が全部剥けました」
「英才教育されていた兄と反比例するように、自由に育ったと思います。そう言えば小学生の頃にはもう、漠然と”モテたい”と思ってた。
遊戯王が好きだった自分は、サッカーが上手い子よりはモテないんだと、子供ながらに認知していました。
スポーツに自信はなかったし、自分の顔も好きじゃなかった。自分の魅力は頭の回転力だなって気づいたのは中学生の頃。人を笑わせることが好きだった」
彼があげるSNSの動画にはファンも多くいる。今や大学のアイコンになりつつある彼に、こんなコンプレックスがあることを意外に感じる人は多いと思う。
「高校の時は、有名DKになりたかった。当時、SNSでフォロワーが1000人もいれば、界隈の高校の中で有名になれて、モテてた。
高校の頃は、バレンタインのチョコを何十個ももらえれば、それで満足してた」
今や彼のフォロワーは、もうすぐ1万に届くのだろうという数字だ。
「大学入ってからバイトでキャッチをやって、会社をやって…自分をよりよく見せて、それが相手のニーズに合ってるように見せるのは、やりたいことではないと思うようになった。
だから、自分の好きなことを人に伝えるために、自分のファンをつけなきゃだめだなって思ったんです」
こうして彼は、東京の大学生を代表するインフルエンサーになりつつある。
「人生、一生エンターテイナーでいたい」
「多分、自分は口が上手いから。自我のない子はすぐ口説ける。僕の言葉でブレる子は、恋愛対象に入らない。
結婚は自分にはあんまり向いてないな、と思う。一人の時間がないと無理なのに、付き合う子には尽くしてあげたくなっちゃうから。
それに、ナンパするのもそんなに得意じゃない。知らない人と話すのは、どう思われてるか分からなくて怖かったりもする」
ユーモアと自信にあふれて見える動画の中の彼と、本当の彼は別。
自己ブランディングというのは、自分の全部をさらけ出したら上手く行かない。
でも、あまりに本来の自分と違うキャラクターが独り歩きしてしまうことに、辛くなってしまう人もよく見かける。
彼は、とても生真面目に丁寧に話をしてくれる、人に親切で、少しナイーブなところもある。
でも、彼は「一生エンターテイナー」を決意している。それは彼の一部ではあるし、でも、それが彼のすべてではない。
面白い人ほど、ノリで行動したり発言したりしていない。人の3手先を読み、考え抜かれた発言で相手の心を掴みに行く。
ノリの良さも、努力。それが彼のすごいところだ。
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